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3年たちました

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3年たちました

お互い感謝し合える関係ができて…

 霧が丘に「ぷかぷか」のお店が誕生して3年がたちました。
 障がいのある人たちといっしょに生きていきたい、とただそれだけを考えて、商売のことなど全く知らないままのスタートだったので、最初の1年目は本当に大変でした。恐ろしい勢いでお金が出ていき、つぶれなかったのが不思議なくらいです。

 天然酵母、国産小麦にこだわったパンは絶対売れる、と思っていたのですが、予想したほど売れ行きは伸びず、こんなにおいしいパンがどうして売れないのだろうと頭を抱え込む日々が続きました。それでも、牛乳も卵も入れないパンは素朴においしくて、少しずつお客様が増え、ずっと赤字だった収支も、3年目にしてようやく黒字になりました。

 お店が3年続いたことで、すばらしい時間を過ごすことができたと思っています。経営的には苦しいことばかりでしたが、それでもたくさんのお客様と出会ったり、利用者さんたちの成長ぶりに驚いたり、毎日の売り上げに一喜一憂したり、本当に充実した3年だったと思います。この3年はお店を支えて下さったお客様方からの、すばらしい「プレゼント」だったと思っています。ありがとうございました。

 パン屋を始めなければ出会えなかったお客様がたくさんいます。出会ったお客様の数だけ、いろいろなことを教わり、それはそのまま私たちのかけがえのない財産になっています。みなさまと出会えたこと、本当に嬉しく思っています。

 「こんなすてきなパン屋と出会って、本当によかったと思っています」と言ってくださるお客様がたくさんいます。こんな言葉を聞くと、本当に嬉しいです。おいしいパン、安心して食べられるパン、メルヘンのような店作り、それになんともいえない魅力にあふれた、にぎやかで、いつも一生懸命な利用者さんたち。そういうものと出会えた素直な喜びがお客様の言葉から伝わってきます。

 以前、「霧が丘に来てくれてありがとう」とおっしゃったお客様がいました。「霧が丘に来てくれてありがとう」「お店に来ていただいて、ありがとうございます」と、お客様とスタッフが、お互い感謝し合えるような、そんなお店でありたいと思います。

 「出会い」に対する感謝。人と人との「出会い」は、お互いを豊かにします。そんな出会いをこれからもたくさん作っていきたいと思っています。

 お店が始まった頃、お母さんに抱っこされたり、背中に負ぶわれていた赤ちゃんたちが、今はすっかり大きくなって、お店にやってきます。初めて歩いてお店にやってきたときや、たどたどしくおしゃべりし始めたときは、自分の子どものように嬉しく思いました。お店を続けていくって、こういううれしい関係が続いていくことなんだ、って子どもたちから教わりました。出会った子どもたちに感謝!です。

 「ぷかぷか」では障がいのある人たちが当たり前のように働いています。いつもわけのわからないことをしゃべり続けている人がいます。接客がぎこちない方もいます。おしゃべりが上手く出来ない方もいます。でも、みんな元気に、一生懸命働いています。何よりも楽しい、あたたかい雰囲気があります。
 そういったことを子どもたちが小さな頃から見続けていることは、とても意味のあることだと思います。子どもたちが大きくなって、やがて社会を担うようになったとき、「ぷかぷか」で働いている障がいのある人たちのことを、ちょっとだけ思い出してほしいなと思っています。

 子どもたちには何の偏見もありません。私たちよりずっと素直に障がいのある人たちのことを見ています。
 優しい人だなと思うと、素直に抱きついてきます。おもしろいなと思うと、どんどん話しかけてきます。障がいがあると言うだけで引いてしまうのは大人だけです。

 子どもたちは大いなる「希望」です。その希望に、私は自分の夢を託したいと思っています。



3年たちました その2

おいしいパンのオマケが…

 「ぷかぷか」は毎日のように外販に出かけていきます。外販は言うまでもなく、パンを売ることですが、毎週木曜日に出かける瀬谷区役所では、この3年間で単なるパンの売り買いを超えた、予想もしなかったおもしろい広がりがありました。

 お昼休みに販売するのですが、最初は5,000円前後だった売り上げが、3年たった今、40,000円を超えるほどに売り上げが伸びました。売り上げが8倍になったことは、それ自体驚異的なことですが、その中身をしっかり見ていくと、障がいのある人たちとのおつきあいをめぐっての新しい可能性を感じさせるものだったことがわかります。
 
 外販を始めるにあたって瀬谷区役所との最初の打ち合わせでは、ただ単にパンを販売する、ということでした。ところが始めて何ヶ月かたつと、ただ単にパンを売ったり買ったり、の関係にとどまらず、利用者さんと会うのをとても楽しみにするような、そんな関係になってきたのです。

 利用者さんたちのにぎやかな声を聞くと「あ、来た来た!」と、なんだかちょっとわくわくするという人、彼らに会うと元気になるという人、あたたかい気持ちになれるという人、彼らとお話ししているとすごく楽しいという人、そんな人たちが、外販を重ねる中で、少しずつ増えていったのです。

 障がいのある人たちとのこういう関係が、パンの販売を通してごく自然にできたことは、障がいのある人たちのパン販売の意味を大きく広げてくれたように思います。
 ここでの関係は、障がいのある人たちを「支援する」といった、上から目線の関係ではなく、「彼らといっしょに生きていきたいね」「いっしょに生きていった方がいいね」という対等な関係です。障がいのある人たちと、本当にいい出会いをしたんだなと思います。

 区役所の職員の方たちが、今まで障がいのある人たちとどのようなおつきあいをされていたのかわかりませんが、少なくとも外販の現場でのおつきあいはとても新鮮で、こういった関係がどんどん広がっていけば、ひょっとしたら区役所も、障がいのある人たちへの対応においては、少し変わるのではないかと思ったりします。障がいのある人たちへの対応が変わると、お年寄りの方たちを始め、あらゆる人たちへの対応が変わってきます。ベース部分の底上げと言っていいかもしれません。

 こういうことが、たとえば「障がいのある人たちとどう接していけばいいのか」といったことをテーマにした「研修会」ではなく、ただおいしいパンを買いに来ただけで、それを繰り返しているうちに、職員のみなさんが自然にこんな風に思うようになった、というのがおもしろいと思います。おいしいパンを買った、いわば「オマケ」みたいなものだと思います。ただこの「オマケ」は、それの生かしようによっては、「オマケ」が何倍にも価値あるものになる可能性を秘めています。

 売り上げが8倍に伸びたことはぷかぷかにとっては大きなことですが、区役所側にとっても、お金では換算できない大きな収穫が、この外販によって得られたのではないかと思います。それを区役所がどう生かしていくのか、区役所の「センス」と、「やる気」にかかっています。区役所がどんなふうに変わるのか、楽しみにしています。

             

       

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